こんにちは~!
昨晩から執筆するのが何故かぱたりとできなくなっていたので、HPの方をがんがん作っていました。
夜中にフレームがようやくできて……。ははは。やっとですよ。
それで頂いたイラストなどを展示していました。頂いた音楽もリンクしましたし……頑張りましたよ!
小説のページは途中で力尽きました……。ええっと、残りはぼちぼち進めます。

ということで、本格的にHP開通します~。
以下クリックで行きますよ。

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ようやくこれから花小説執筆するはず(汗) 
このセリフ、一体何日前から何回言っているのか。 


* * *


さて、こっちが本命。
早村さまのブログで4000Hitを踏んだ時にリクエストした虹色のカケラの二次創作を頂いてきました!
HPにもすでに移行していますが、ブログでももちろん載せます。
第2章終了後辺りのビブリオを舞台にした話です。

ということで、続きからどうぞ!






◆◆ 風は唄う ◆◆


 窓から入り込む朝の陽射しが、ぽかぽかと暖かい。
 穏やかな気候につられてうとうとしていた魔法管理局副局長レイラ・クレメンは、がちゃりと部屋の戸が開く音ではっと覚醒した。
 朝からうたた寝など、らしくない。
 流していた金髪を纏め上げ、入ってきた青年に笑いかけた。
「いらっしゃい、クロウスくん」
「すみません、遅くなりました。シェーラから、レイラさんがお呼びだと伺ったのですが」
 一見すると表情なく見える彼が、本当は窓から吹き込む風のように温かな心の持ち主であるという事はよく知っている。おそらく、頼まれ事をそうそう断らないであろうことも。
 うたた寝をしている間にお気に入りのカップの中ですっかり冷えてしまったコーヒーを諦め、もう一度二人分のコーヒーを淹れ直した。


**********


 レイラの『お願い』は、非常に不可解なものだった。
 今すぐに隣街のビブリオに向かう事。その途中で、焼き菓子を一袋購入する事。
 そして、シェーラとイリスの二人を連れて行く事。
「珍しいわね、レイラさんがそんな曖昧な指令を出すなんて」
「でも、いいじゃないですか? たまにはお散歩なんて」
 3人並んでビブリオへの道をのんびりと歩く。緑を基調とした身軽な服に身を包んだシェーラは、イリスの言葉にそれもそうね、と頷いて楽しそうに軽やかなステップを踏んだ。
 確かにこんなにも穏やかな日はそうないかもしれない。風は穏やかで空は晴れ渡り、鮮やかな緑が視界を染める、イリスではないがお散歩日和と呼びたくなる。
 あの街へ行くのは、先日の事件以来だ。
 ノクターナルの内情を文書に著したことで3年前に命を奪われたシルキス・エルム。彼の妻マーラもまた、命を狙われた。しかし、クロウス・シェーラ・イリスの活躍によって彼女は守られ、その息子ルージェからも感謝の言葉を得たのだった。

 それにしてもいったいなぜレイラはこのような『お願い』をしたのだろうか?
 不審に思いながらも、幾許もしないうちにビブリオへと到着し、言われた通りに広場の露店で手作りのクッキーを一袋購入する。
 自分用にもと一袋多く購入したシェーラがクロウスを振り返った。
「で? レイラさんはこれからどうしろって?」
「そこまでは聞いていない」
「いったいどうしたらいいんでしょうね」
 そして、イリスが困ったように笑った時だった。
「チェスターさん……ですか?」
 唐突に背後から声がした。
 はっと振り返ると、そこに立っていたのはマーラだった。
 あの事件以来だが、小さな箱を抱えて佇む彼女は明るい表情をしており、元気そうであった。
 クロウスは少なからずほっとする。
「お久しぶりです」
 クロウスより先にイリスが進み出た。
「ルージェくん、お元気ですか?」
「ええ、もうやんちゃで困ります」
 楽しそうに笑ったマーラは、手にしていた箱を掲げながら嬉しそうに笑った。
「そうそう、今日はルージェの誕生日なんですよ。これから、帰ってお祝いをするところです」
 その言葉でシェーラとイリスは顔を見合わせる。
「皆さんは、何かご用事でビブリオまで? 可愛らしいクッキーは誰かへのプレゼントかしら」
 マーラの問いには、イリスがにっこりと笑って答えた。
「ルージェくんの誕生日に」
「……まあ」
 マーラは驚いた表情を見せたが、すぐに綻ぶように笑った。
「きっとルージェも喜びます」

 マーラの息子ルージェの誕生日を祝うささやかなパーティに招かれた3人は、小さなケーキを囲んでテーブルについていた。
 初対面ではわけあってクロウスに噛みついたルージェだったが、母と自分の命を救ってくれた3人に、いくらか心を許したようだった。
 突然現れた3人に驚いた様子ではあったが、焼き菓子を手渡すと子供らしくにっこりと笑い、はきはきとお礼を言った。
「ありがとうございます!」
 その笑顔を見て、急を要する事態が続いて凝り固まっていた心がふっと解(ほぐ)れるのを感じた。
――ああ、なるほど。
 このところ気が張っていたから……これは、見た目以上に情深い魔法管理局副局長の小さな計らいなのかもしれない。
「お母さん、あのね、お願いがあるんだ」
 頃合いを見計らったようにルージェが切り出した。
「あの、僕、昨日……子猫、拾ったんだ」
 それでね、だからね……ともじもじするルージェを見て、マーラは優しい目を向けた。
 温かな母の慈愛に満ちたその瞳に、傍から見ていたクロウスの心にも温かいものが灯る。
「分かったわ。いいでしょう。ちゃんと世話するのよ?」
 その途端、ルージェはひどく嬉しそうに笑った。
「ありがとう! 外に置いてきたんだ、すぐ連れてくるね!」
 ルージェはそのまま外に飛び出していった。
「主役が行っちゃったわ」
 やれやれ、と肩を竦めたシェーラ。
「でも、楽しそうですね、ルージェくん」
 くすくす笑うイリス。
 つられてクロウスも口元を綻ばせた。
「あなた方が来てくださって、あの子は本当に喜んでいます。こんなにはしゃいだ姿を見るのは久しぶりなんですよ? この間も助けられたのは私達の方だったのに……本当にありがとうございます」
「あっ、そんな、お気になさらないでください!」
 シェーラが慌てて首を横に振り、イリスはにっこりと微笑んだ。
「そうです。私たちの方が楽しんでいるくらいですから」
 そう、何しろ3人ともレイラに言われるがままここへ来たようなものだ――それにしてもなぜあの副局長は今日がルージェの誕生日だと知っていたのだろうか?
 それが一番謎だ。

 しかし、いつまで経ってもルージェが戻ってこない。
「それにしても遅いな」
「見てきましょうか?」
 全員で席を立って外に出ると、ルージェは天を仰いで佇んでいた。
 何事かとその視線を追ったクロウス達が目にしたのは、家の屋根で弱々しく鳴き声を上げる子猫の姿だった。
 どうやらのぼったはいいが降りられなくなってしまっているらしい。
「降りられなくなってしまったんですね」
「どうしてあんな処にのぼったんだ?」
「とにかく、助けないと」
 ふるふると震えながら弱々しい声で鳴く子猫は、今にも落下しそうだ。
「今、梯子を持ってきます」
 マーラが家に戻ろうと踵を返した時だった。
 子猫は足を滑らせて屋根から落下した。
「あっ!」
 唐突。
 誰もが動けなかった中で、艶やかな黒髪が靡いた。
 全員の目の前で、落ちてきた子猫目がけてダイブしたシェーラの体は、凄まじい音と共に、家の壁に沿って積んであった薪の山に突っ込んだ
「シェーラっ!」
「シェーラさん!」
 悲鳴のように叫んで駆け寄った二人と裏腹に、当の本人はにこにこと笑いながら崩れた薪の中から立ち上がる。その胸にはしっかりと子猫を抱いていた。
「大丈夫、子猫は無事よ」
 シェーラは笑ってルージェに子猫を手渡した。
「……シェーラさん」
 イリスの困ったような、諌めるような声。
 その原因がシェーラの首筋に滲んだ赤い血のせいだと気づいたクロウスは、思わず声を荒げていた。
「何をやってるんだ!」
 鋭い薪の切り口で傷つけたのだろう。それほど深い傷ではないようだが、ぱっくりと割れて痛々しい様子を見せている。
 ところがシェーラは、手をあてて傷口を確認すると、まるで何でもないかのように再び言い放った。
「大丈夫よ。このくらいならすぐ血も止まるわ」
「どこがだ。猫の為に自分が怪我をして、いったい何を……」
「だって、私の怪我なんてすぐに治るわ。でも、ルージェくんの誕生日は、今日だけなのよ?」
 その言葉に、再びクロウスは声を失った。


**********


 朝と同じように、再び副局長の部屋にやってきた剣士は、レイラが全く何の説明もせず3人を放り出したことには触れず、ルージェとマーラの様子を話し、風使いの彼女が軽い怪我をした事を最後に付け加えた。
「……医務室のボルタ先生がおっしゃるには、かすり傷ですぐに治る、との事ですが」
「またあの子は……あとで、お説教ね」
「ぜひともお願いします。俺が言っても聞きやしない」
 普段あまり表情を見せないはずの彼がひどく不機嫌そうなのはきっと、彼女が自分自身を傷つける事になんら躊躇を見せなかったのが原因だろう。
 一連の報告を終えたクロウスが扉の向こうに消えるのを見送ったレイラは、再び窓の外に視線を移した。
 窓は閉じたままだというのに風を感じ、思わず目を細める。
 そんな自分に気付いて唇の端をあげた。
「もう……だからこの季節は嫌なのよ」
 風の暖かさに負けて安寧に身を委ねそうになってしまうから。気を許す余裕など、どこにもないというのに。
 席を立ち、窓をいっぱいに開けると、待ち遠しかったと言わんばかりに風の渦が舞い込んできた。
「風は唄い、導き、癒し、凪を贈る――あの子達もいつか、分かる日が来るのかしら」
 ひどく攻撃的に風を使う、自分を顧みない風使いは、風の本質に、そして彼女を取り巻く人々の思いにいつか気づくだろうか。
 彼女だけでなく、その隣に佇む無表情な剣士も。
 ほどいた金色の髪が頬を撫でる。
 ああ、まるで子を見守る親の気分だ。
「なぁんて、ね」
 最後にふっと呟いた言葉は、風に揺れて消えていった。

 風は木々を揺らし、穏やかに駆け抜ける。
 迷い迷う人々を包み込み、誘うように。










* * *




いかがでしたか?
第6章の終りを書いていた時に頂いたものなので、色々驚きました。その該当部に関してはたぶん来月に更新すると思います。


では、今度こそ執筆の旅へ行ってきます!
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