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 巡回が終わり、マチアスと一緒に警備団の分署に戻りかけている時だった。
 空は見る見るうちに暗くなり、厚い雲で覆われ、涼しくなったと思えば、雷が鳴り始めたのだ。
 俺は空を見上げて、ぼそっと呟いた。
「これは走っても間に合わねぇな」
「そうですね。雨宿りしていきましょう」
 額にぽつりと雨粒が落ちる。本格的に降り始める前に、一目散に近くにあった喫茶店に飛び込んだ。

 注文したジュースを飲みながら、激しく地面を叩く雨を眺める。
「夕立なんて、久々ですね。かなり暑かったから、その影響でしょう」
「この後は温度が下がるから、夕立ちも悪くはねぇよな」
 それに朝から小競り合いの対処で忙しかったし、ここでゆっくりするのもいいだろう。


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第68回Twitter300字SS参加作品。お題『夕』。

先日体験した、夕立ちの直前を思い出しながら執筆しました。
本当にあっという間に空が暗くなっていて、驚きましたね。

秋に発刊予定の『薄明を告げる鐘の音』の男主人公マチアスと、その先輩ギルベールの一コマでした(本編から3~4年前くらい)。

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「フリートって、どうして泳げるの?」

 窓から海をぼんやりと眺めながら、リディスは背後に来ていた黒髪の青年に話しかける。

「私が海に落ちた時、慣れたように泳いで助けてくれたわよね」

 フリートは頭をかきながら、隣に寄る。
「騎士団の訓練で遠泳があった。あとは親父が海好きで、小さい頃に何度か連れて行ってもらっていて、そこで教わった」

 リディスは目を瞬かせて、フリートを見上げる。少し気恥しそうな表情をしていた。

「この海の先には、見たことがない国や土地が広がっている。世界を見るには、船に乗る機会もあるだろうから、何かあったとき泳げた方がいいって。……ただのこじつけだろうが」
「お父様、常に先を見ているお方よね」


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第67回Twitter300字SS参加作品。お題『泳ぐ』。

久々に代表作の『魔宝樹の鍵』の二人の登場してもらいました。
本編の時間軸としては、第6章以降の内容ですね。
おぼれた時に備えて、泳げるようにはしておいたほうがいいですよね。

こんにちは。
だいぶ今更感がありますが、メモ的な意味で記事を書いておきます。

6月28日(日)に、オンライン上での、イラスト依頼されたいしたい会が開催され、そちらにイラストしたい側で参加してきました!
春過ぎあたりから、秋に発行する予定の表紙イラストをどうしようーー!と慌てていた時期だったので、大変助かりました。
といっても、チキンハートのため、当初は参加するかどうか悩んでいました。
声出しは環境的に無理……というか、マイクが古い型で使えなかったりして(笑)

結果として、思い切って参加してよかったな~というのが第一の感想です。
少しだけ参加した感想を。

【良かったこと】
①依頼案件貼り出しお申し込みフォームがあったこと
依頼案件がそこそこ固まっていた(秋に発刊予定、近世近代あたりのファンタジー、男女バディ、カッコいい感じ!等)ので、申込フォームで内容を送りました。
割とギリギリに会に申込んだので、このフォームを悩む時間がなかったのが、少し反省点ですね……。

これを送ることで、当日いわゆるリアルでの貼り紙みたいな感じに貼られ、依頼されたい側にも目を通して頂けることになりました。
そのおかげで当日は話しかけるのを躊躇ったりして、うろうろとしている間に(チキンハートめ……)、依頼されたい側から有難いことにお声をかけていただけました。
この機能は次回以降も是非続けてくださればいいなと思いました。
(依頼したい側は是非ご利用を!)

②主催者様側の手際の良さ!
依頼されたい側から依頼したい側にお声をかけるとき、メンション?を利用しての館内放送(ツイッターでいうリプですかね)されて、すぐに反応することができました。
イヤホンだけはしていたので、音でそれをすぐに察知できました。
お願いされてから、すぐにお声がかかったため、トオノ様の館内放送の手際の良さがすごいな~と改めて思いました。案内も早かったですし……。
うろうろしていて、うっかりボイスチャットで入ったときに、優しくお声をかけてくださいましたし、その節は大変お世話になりました……。

③様々なジャンルのイラストされたい側の人がいたこと
ファンタジー系しかはじめはサイトとしか見ていなかったのですが、他にも素敵な絵柄の人がいて、あらかじめ全員をじっくり見た押しておけばよかったと思いました。
それにしても、本当に幅広い人がいましたね。ラノベ系から、一般的なイラストまで!
参加した人たちのサイト見ているだけでも、楽しかったです!←マテ

④のんびり交流の場があったこと
依頼を受けてくださった後は、のんびり交流の場に顔だけ出していました(聞き専ですが)。
イベントに参加できない時期なので、音声だけでも交流ができて、楽しかったですね。

【個人的な反省点】
①初めてのdiscordの使い方がよくわかっていなかった←
メンションとダイレクトメッセージの使い方が、終盤になってぼんやりわかってきた感じがしたレベルです。誤ってダイレクトメッセージしちゃったりしましたね。
バタバタしていたのは、使い方がよくわかっていなかったからです!(すみません)
それでもどうにか形としてはできたかなと思っています。

②イラストされたい側の皆様の中に突入する勇気が(略)
イラストされたい側の皆さんが、和気あいあいとトークされている中に突入をする気がなかなか持てず、様子見の時間が長くなってしまいましたorz
直接メンションとかダイレクトメッセージ送ればよかったのですね~と、終わった後に気づきました(汗)
もしかしたら、既に他の人と相談中かも!と思うと、なかなか一歩踏み出せなかったのはありました。

③緊張しすぎて、返す速度が遅くなった←
最近チャット系はまったくやっていなかったんですよ。7、8年くらい前に交流企画でやった以来じゃないですかね。
そのせいか、即反応あることに対して、即座に反応できず(ついでに心臓バクバク)、もたもたしてしまいました(苦笑)


個人的な反省点は多々ありますが、会としては大変有意義なものでした。
おかげさまでこの会で出会った方に、イラストを依頼することになりました。
当日お声をかけていただいた方、依頼を受けてくださった方、主催者様、どうもありがとうございました。
こんなご時世ですが、きちんと秋には本を作って、世に出したいと思います。

次回もありそうな様子ですので依頼したい側の皆さん、イラストされたい側と交流できる、とてもいい機会です。
さらにある程度設定を固めてから、参戦をしていただけると、なお素敵な会になりますよ!

 小さな水路の上にかかっている橋の上で、俺はぼーっと水面を眺めていた。
 夕方近くになり、水面はうっすら赤く染まり始めている。これから薄明の時間帯だ。日の入り後と日の出前の空がぼんやりと明るい感じを、薄明と呼ぶらしい。
 俺は日の出前の薄明が好きだ。何かが始まるような感じがして、ワクワクするからだ。逆に日の入り後はもの寂しさがして苦手だ。

「先輩、こんなところにいた!」
 橋向こうから声をかけてきたのは、今では頼りがいのある後輩だ。
「そろそろ行かないと、食堂が混み始めますよ!」
 仕事が一段落したので、今晩は飲む予定だったのを忘れていた。
「わかった、今行くよ」
 楽しい時間がある日の入り後も、悪くないかもしれない。


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第66回Twitter300字SS参加作品。お題『橋』。

橋の上から夕焼けとか見るの、結構好きなんです。

秋に発刊するために鋭意執筆している、「薄明を告げる鐘の音」の登場人物の一人です。
さて、本編の薄明は、どちらの意味でしょうかね?

 今まで調べたことをまとめて、俺はこの件に関しての結論を手帳に書きだした。
 その内容は突拍子もないが、おそらく真実に極めて近い内容だと思われる。

 さて、この手帳をどうするか。俺がこのまま持って、来るべき日に妹に教えるか。
 ……いや、万が一、俺の身に何かあった場合、それでは渡せなくなってしまう。それだけは避けたい。

 そうだ、信頼できる相棒に預けよう。
 あいつなら、きっとこの手帳の意味を理解して、いつか会う妹に渡してくれるはずだ。
 とはいっても、このまま生身のまま渡すのは……。……お、ちょうどいいところに鍵のついた箱がある。これに入れて……っと。
 あとで適当な嘘を吐いて、鍵を託そう。

 未来を繋ぐための嘘を。


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第65回Twitter300字SS参加作品。お題『鍵』。

前回のお話から数か月~数年後という設定の内容です。
大切な手帳は本編の中でもキーアイテムとして活躍します。

秋に発刊するために鋭意執筆している、「薄明を告げる鐘の音」の登場人物の一人です。