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 旅人の僕は各地を転々としながら、時に資金を作るために、町の広場で歌っている。その歌声は一度聞いたら忘れられないと言われていた。
 それもそのはず、僕の歌にはそっと魔の力を込めているからだ。
 耳に入ったものの意識を自然とこちらに向けさせる。そして誰もが歌を聞けば心地よい気分に勘違いさせるはずだった、彼女以外は。

「貴方の歌、不協和音で気持ち悪い」

 大勢の観衆がいる中、むすっとした顔つきの少女が言い放つ。一瞬場は凍り付いたが、すぐに周りの観衆は彼女の意見を否定し始めた。
 僕は力が通じない少女をじっと見つめた。そして図星を言い当てた彼女のことを。
 視線が合うと、お見通しと言わんばかりの鋭い視線を返された。

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第53回Twitter300字SS参加作品。お題『歌』。

オリジナルです。
魔の力と、歌にちょっとした細工をすることで、彼は観衆に対して強い印象を残せるようしたようです。

爽やかな話にしたかったのですが……。

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 頭上では桜の花が咲き誇っている。人々は笑顔で桜の花を見上げていた。
 ずっと桜を見守り続けていた私も、その様子を見ると嬉しくなってしまう。
 ふと、肩をがっくり落とした少年が目に付いた。桜など目に入らないのか、とぼとぼと歩いてくる。
 気になって様子を見ていると、顔を上げた彼と目線があった。少年は私のことを見て、目を大きく丸くしている。
 私の方が驚きたかった。人間には見ることができない、桜の精が少年に見られたのだから。
 おそらく相応の理由があって見られたのだろう。こうなったらその理由を聞き出し、その辛気くさい表情を取り払って、笑顔を咲かせようではないか。
 私は堂々とした足取りで彼に寄った。
「どうした、少年?」

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第52回Twitter300字SS参加作品。お題『咲く』。

完全オリジナルです。
桜の花が満開で、綺麗な様子だったことを思い出して書きました。
笑顔でその光景を見てほしいです。

先日のテキレボ8で、ブースにお越しいただいた皆様、ありがとうございます!

日曜の夜にようやく荷物を受け取り、戦利品や在庫を確認し終えました。

自家通販も新刊を載せて開通しています。

あとはこのブログを書いて、私のテキレボは終わりです。

今回はさくっと書きたいと思います。

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こんにちは。
花粉症がたいへん辛い季節がやってきました……。
そんな中ですが、イベントに参加します。

3月21日(木・祝)に東京都立産業貿易センター台東館7階で行われる、第8回 Text-Revolutionsにサークル参加します!
スペースの場所は、桐瑞の本棚【B-53】で、真ん中の列の手前の方です。長編上等さんの本部(B-55,56)から少し進んだところですね。

(※クリック拡大)
配置8  

当日ですが、今回もお買い物以外にも、メンバーズに参加しますので、1.5~2時間くらい離席します。時間については、ツイッターでお知らせします。
名札はぶら下げていますので、そちらで判断していだたいてもいいかもしれません。

無料配布物は遠慮なくと、お取りいただいた構いません。300字SSポスカだけでなく、抜粋集の無料配布冊子もありますので、まだお持ちでない方は、遠慮なくもらってください!
有料頒布物については、両隣の皆様や売り子さんにお留守番をお願いしますので、そちらの方々にお声掛けください。いつもお世話になっている、ほたさんや○まるさん、つぐさんらが対応して下さると思います。

よろしくお願いします。

次にお品書きをアップします。(クリック拡大可)詳しくはwebカタログの頒布物一覧

テキレボ8お品書き  

簡単に紹介を。

新刊は、『花願いの創造』というほのぼの&日常メインの短編集です。【参加企画:花マップ】
珍しく誰も傷ついていないです、血の描写もありません。事件ばっかり起こしている私にしては珍しい!?
収録作品は4本で、アンソロに序盤部分を投稿した『花願いの創造』、ほっこり甘めの恋愛掌編『苦い薬草と甘い花束』、頑張る踊り子の話『廻る踊り子の想い』(悠々閑々幻想録に寄稿した加筆修正版)、筆写師のお仕事&恋愛模様『巡る十年の歳月』(web版の加筆修正)となります。
全体的にほのぼのとした感じで、日常の話を綴っています。あと全体的に恋愛要素もそれなりにあるのではないだろうか……(笑)


既刊はお手に取りやすい順から。

1冊で完結する『空を彩る追憶の華【参加企画:うそと本と
少女の爽やか成長物語&青年が過去を見つめなおす物語です。もふもふとした動物もでてきますよ!
私らしさの要所を抑えた、爽やかなお話です。短編では物足りないなと思った人は、こちらをお勧めします! 表紙も美麗で、気に入っています♪
うそと本とでも、レビューをいただいています。レビューをした人は、宝珠細工師の原石のエルダです。

ハラハラドキドキの短編集『有明に浮かぶ星
前回頒布後に頂いた感想で、「誰かのために危険に立ち向かう勇気と愛が詰まった話」というお言葉をいただきました。振り返ると、まさしくその通りだなと思います。
事件ばっかり起こして、それに立ち向かっています。短編くらいでお気軽に楽しみたい方はこちらを。

少年少女の成長&青春物語『宝珠細工師の原石』シリーズ
一番安くて、ちょこっと桐谷瑞香の世界観を触れたい方には、前日談である『若き芽の輝き』をどうぞ。こちらの本に関しては、今回限りでイベント頒布は終了しようかと思っています。これなくても、本編だけでも十分楽しめますしね。
前編である『伸び行く二つの枝葉』は、二人とも頑張っていますが、特に少女エルダが自分の道を決める話です。
後編である『宝珠を実らす絆の樹』は、少年サートルが頑張っています。あと二人の関係もだいぶ進みます(笑)
3冊シリーズですが、全部買っても1200円で魔宝樹と同じなので、まとめ買いもありだと思っています! 表紙は微笑ましくもかわいらしくて好きです。土の精霊もひょっこり参戦中(笑)

大長編冒険物語『魔宝樹の鍵』【参加企画:長編上等うそと本と
全体的に部数は少なめで持っていきますので、確実に欲しい方は事前にお声かけください。
がっつりとした剣と魔法の冒険ファンタジーです。帯のコメントにあるように、王道的な展開の物語です
これを書き始めた時は、とにかくファンタジー要素満載で(精霊とかモンスターとか出そう!)、お姫様とか出して、途中で物語が根本からひっくり返す話を書こうと決めていました。最終的にはハッピーエンドなので、中盤以降辛い展開が続きまくり、希望が見えない状況に陥りますが、最後はすっきり終わりますので、ご安心ください。
長くて冊数が多いのが難点だと思いますが、気になった方は無料配布冊子だけでも、お手に取っていただければ幸いです。
うそと本とでレビューも頂いています。土の精霊さんからですね。個人的に気にっている一文は、「愛は人を変えるとは、このことを言うのじゃな!」

あと、以前、ブログでもお知らせしましたが、30日末を持って、頒布価格を値上げします。イベントでこの値段で買えるのは最後ですので、ご了承ください。

イベントまで残り5日となりました。
今年のイベント参加はテキレボ8だけになりそうなので(秋は特に忙しくなる……)、気になった方はまずは立ち読みでもしていってください。
当日、お会いできることを楽しみにしております!

 雫の形をした透き通った石が、小さな箱にしまわれている。
 この雫は私の涙を固めたもの。
 それを作った直後は、毎日眺めていた。しかし忙しくなるにつれて、あまり見なくなり、いつしか雫の存在すら忘れていた。
 ある日、探しものをするために引き出しを開くと、その箱を見つけた。それをおもむろに取り出すと、手が滑って雫を落としてしまった。雫が音をたてて砕け散る。
 瞬間、嬉し涙を流した光景が蘇ってきた。物作りをし、初めて受賞したときのことだ。
 悩んだ末に作り上げたものだったため、涙が出るほど嬉しかった。その時の感情をこの涙に詰め込んだのだ。
 あの時抱いた想いを思い出し、私は再び前を向いて歩きだしていこう。


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第51回Twitter300字SS参加作品。お題『涙』。

完全オリジナルです。
感情が高ぶると涙は流すものです。悔しくても、悲しくても、嬉しくても、その時の出来事はきっと何かの糧になるのではないかと思います。

悔しい時や悲しい時は涙を流しますが、嬉しい時も涙は流します。