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「じゃあ、行ってくるね。まとめて休みが取れたら、また戻ってくる」

 そう言ったお兄ちゃんはボストンバックを片手で背負って、家から出ていった。
 その大きな背中が今でも鮮明に覚えている。筋肉がしっかりついた背中が。
 あの背中を私も追いかけようとした。
 けど――


「お父さん、行ってきます」
「行ってらっしゃい。お願いだから、戻ってきてくれよ」
「……うん」
 曖昧な返事をして、私は鞄を両手で持って家を出た。
 兄が戻らなかった中で、娘を外に出すのは父としては不安があるのだろう。
 でも、私は行くべきだと思っている。自分のため、そして兄のためにも。
 兄の背中はもうない、だけど歩くのは一人でもできる。鞄をしっかり持って、歩き出した。


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第63回Twitter300字SS参加作品。お題『鞄』。

兄と妹のそれぞれの旅立ち。
妹の方は、何らかの覚悟を持っており……。

秋に頒布予定の長編の主人公です。

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「ようやく休憩だ! マチアス、ちょっと外に出ようぜ!」
 一息ついた途端、先輩が話しかけてきた。午前中から駆けずり回っていたにも関わらず、この調子。どこにそんな体力が隠れているんだ?
 先輩に引っ張られながら、俺は外に出た。

 仕事の影響で、休憩は昼過ぎにとることになった。
 パン屋に着くと、先輩は店員と話し始める。彼女は「お疲れ」とねぎらいの言葉をかけながら、余っていた食材でサンドイッチを作ってくれた。
「ほら、昼飯」
 色々な食材が詰め込まれたサンドイッチを渡され、一口食べる。美味しい。あっという間に食べると、先輩が歯を出して笑っていた。
「こういう余暇の使い方もあるんだぜ」
 顔を上げると、綺麗な青空が広がっていた。


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第62回Twitter300字SS参加作品。お題『余り』。

勢い有り余る先輩と後輩のコンビです。
この先輩は前回のSSの兄でもあります。

このコンビでの短編を、次の春イベントで頒布する予定で頑張っています!

「これは何だ?」
 居間の机の上にあったのは、薄ピンク色の布で包まれた小さな箱。それは妹が好んでいた布に似ていた。
 まさか、兄の俺宛に!?
 文献で読んだことがある。ある地域では女から男にチョコを贈る風習があると。
 最近、冷たくされていたのは、これのせいか!?
 俺は部屋に誰もいないことを確認して、布を取り払い、ふたを開けた。
 中は――何も入っていなかった。
 俺は愕然と立ち尽くす。
「お兄ちゃん、何見ているの!?」
 部屋に入ってきた妹が箱をひったくる。
「いや……」
「見ないで!」
 妹は慌てて、部屋から出ていった。

 翌日、妹が気恥ずかしそうに、あの箱を差し出してきた。中には美味しそうなチョコが。
 俺はそれを笑顔で受け取った。

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第61回Twitter300字SS参加作品。お題『包』。

ツンデレ妹と妹ラブな兄の話です。
兄がお調子者で、書きやすかった……。
実は、次に執筆する長編の主人公と、その兄となります。

今年はリアルが激変した年でしたので、振り返るためにもメモとして残しておきます。
桐谷のプライベートなんて、どうでもいいだ、長文苦手という人は回れ右で。




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お久しぶりです。
今年は色々とありまして、活動報告や小説の更新状況を見てわかるとおり、予想通り創作はほとんどできませんでした。
最近、ようやく新しいお話のプロットを組み立て始めたので、来年はぼちぼち復活できるといいなと思っています。

さて、ほとんど休止状態でしたが、1年間の総括します。

◆目標の達成状況
具体的な目標は立てていないので、今回はなし

◆執筆量(合計8000字弱)
・4000字
(同人誌に収録する掌編として執筆。web版は今年アップ)
・300字小説×12本=3600字
(ブログにアップしたり、イベントでポストカードにして配布)

◆webにアップしたもの
・空を彩る追憶の華(前年の途中より続き)
・有明に浮かぶ星
・魔宝樹の鍵の掌編をパラパラ

◆新刊
・花願いの創造(短編集)

◆イベント参加
・第8回Text-Revolutions(3月)

新刊の準備は前年にある程度はやっていたので、今年は本当に何もしていない気がします。
理由は一言でいうと、環境の変化ってところです。あとでプライベート版の総括ブログはあげたいと思います(笑)


これだけだと場が持たないので、来年の目標いいます!

来年はイベントについては最低1回は出ます。(それにプラスして1~2回は出れたら嬉しい。どなたか隣接しませんか、5月の文フリとか)
11月のテキレボ10にはでます!
それに向けて、長編(15万字くらい?)を書き下ろす予定です! 文庫本1冊!

最近、ざくざくっと頭の中に映像が流れたので、これを筋道立てやキャラの肉付けなどができしだい、書き始めます。
久々すぎて書けるかどうか不安なので、何かリハビリで書いているかもしれません。まとまった文字をこんな期間書いていないの、10年以上ぶりなので……。

内容は、こんな感じのを今、考えています。

とある資源に傾倒している国に対し、学者界で有名な少女が警鐘をならしに来る。しかし、実は彼女は特殊な力を持っている子でもあるため、逆に人々から狙われてしまい……。
そんな彼女を護ったり、共闘したり、惹かれ合っていく青年や、謎の笑みを浮かべる女性とともに、国の今後のあり方を模索し、人々に選択させていく物語。


……まだつぎはぎな妄想の中、即興で書きました。
根本的なテーマだけでなく、愛とか書けたら、楽しいなあ!と思っていますが、果たして。
環境が変わったことにより、内容も少しずつ変わっていけたら嬉しいですね。


最後になりましたが、今年も皆様、お世話になりました。そしてありがとうございました。
来年は創作とリアルを両立する1年としたいです!
ではでは、良いお年をお迎えくださいませ。